共創レポート

理想の歯科医院経営 -ユニット4台・歯科医師1名-

関東地区に再び緊急事態宣言が発令される今日、私は爆弾低気圧(吹雪)の中、
仕事先近くのマクドナルド(最近の定番)にて、この原稿を書いております。
結局、降雪が酷く、帰りは大渋滞、翌日は九州自動車動が通行止めのため、
車をクライアント様の先生の所に置かせて頂き、贅沢にも新幹線にて帰熊しました。

昨年一年間は、クライアント様における実践事例をこの投稿にてお伝えしてきましたが、
お陰様で読者の皆様の反響も良く、ぜひ続けて欲しいとの事でしたので、
今年は、私が考える「理想の歯科医院経営」を色んな方向から伝えさせて頂き、
皆様の医院経営のお役に立てればと考えております。

さて今回のテーマは、ユニット4台、歯科医師1名の理想の歯科医院経営モデルです。
このテーマは、私が10年前に九州各地にて「10年先の歯科医院経営を考える」と題して、
セミナーを開催したのですが、その時にご受講頂き、その後クライアントとして
永きにお付き合いしていただいている先生方が、
現在どのような業績かを踏まえてお伝えして参ります。

当時、ご参加して頂いたほとんどの医院様が、ユニット4台、歯科医師1名にて、
年商6,000万円以下でした。
私は、財務の観点から年商6,000万円以上ないと経営(医院運営)は厳しい状態を
存じておりましたので、まずは年商6,000万円をクリアするための経営戦略を
セミナー内にてお伝えしました。

戦略は、予防管理型システムを導入し、月間定期検診の来院者数を200〜300名にすること。
そして、当時は自費率を20%以上にすることを掲げておりましたので、その過程で、
歯科助手のT C(トリートメントコーディネーター兼任)化をお勧めしておりました。

月間の新患数が約30名であれば、30名の80%以上に、
必ず初診時カウンセリングシステムから始まる、予防管理型システムのレール(流れ)に乗せ、
基礎資料収集後のセカンドカウンセリング、予防カウンセリング、自費カウンセリングを行い、
目標管理ミーティングにて数値管理することで、
上記の数字(年商6,000万円)をクリアする医院様が続出しました。
これで、私も「予防管理型システム構築コンサルタント」から
「歯科経営コンサルタント」へと転身できました。

それからですが…
その間、学術力を高められた先生(インプラント、矯正、総合治療、M Iの自費化)は、
自費収入が増大し、自費率30%を超える様になり、ユニット4台、歯科医師1名においても
年商8,000万円を超えてきました。
もちろん「か強診」に認定され、保険収入(SPTⅡ、Ce、長期管理加算等)が
増えたことも大きな要因です。

当時、10年先を見据えて
・予防管理型システム構築
・自費診療増のための学術力、接遇力アップ
・訪問診療への取り組み
さらには「人財確保、育成、組織創り」に力を入れられた医院様方が
現在健全経営をしておられます。

現在の理想は…
ユニット4台、スタッフ構成7名(院長も含む)にて
年商 :7,800万円
変動費:1,200万円
粗利益:6,600万円
固定費:4,500万円
利益 :2,100万円
ここから、納税と返済がありますので、それ次第で余剰金は変わりますが…

月に直すと…
医業収入:670万円
保険:550万円
自費:100万円
物販:20万円
レセプト件数:450件
新患:30件
紹介:20件
定期検診:300件
延患者数:750-800件

これからは、色んなデジタル機器が出て参りましたので、
院内のI T化ならぬDX(デジタルトランスフォーメーション)化にしっかり取り組む、
来院者の皆様により良い歯科医療を提供できる、またそれらを来院者また地域社会に
しっかりと広報(P R)出来る医院様が永続的に成長発展し続けるのではないかと考えます。

歯科経営の基本項目
・学術:歯科に関する知識、技術、経験
・接遇:来院者に対する「接し方」「話し方」「心構え」
・環境:5S「清掃」「清潔」「整理」「整頓」「躾」
・設備:導入、使用、活用
・広報:健康と幸せの情報発信「来院者啓発」「医院P R」
・人事:採用、定着、育成、考課(評価)
・財務:損益、貸借、未来投資

上記に加え、「システム構築(診療、人事、予約、滅菌等)」にしっかりと取り組んで参りましょう!
毎年課題を決め、担当(責任)者を決め、実践・検証・改善を繰り返していけば、
毎年成長し続けるでしょう。
マクロン、そして私(松岡)は、広報と人事、そしてシステム構築のサポートに尽力します。

次回は、ユニット5台モデルについて書かせて頂きます。本年も宜しくお願い致します。