共創レポート
共創レポート⑩
- 2019年08月19日
- 共創レポート
共創レポート第10話です。
今回は、予防カウンセリングの手法についてお伝えします。
———————————————————————————————————-
まずは、目的から「来院者の予防に関する最終動機付けの場面」と位置づけします。
最終的な予防カウンセリングはリコールオリエンテーションとも呼びますが…
・リコール=定期健診
・オリエンテーション=体験
つまり、歯科における定期健診の体験を通して、最終動機付けをするという事です。
場面としては、治療の最終日もしくは、もう一度来院して頂き、
約1時間のアポイントにて実施します。
〈前準備〉
・説明用のスライド
・配布用のリーフレット
・定期健診時に使用する器材
〈手順・内容〉
1.問診・事前案内
2.振り返り
3.染め出し・再TBI
4.PMTC(フッ素塗布)
5.定期健診のご案内
まずは、問診と事前案内です。
問診は、以前お伝えした「治療前後の説明同様です」
前回からの症状確認・事前案内は、今日の予定内容(つまりお口の状態の最終確認
と予防処置を行うこと)をお伝えします。
次に、振り返り(今回の一初診における診療内容)を行います。
・初診日は?
・主訴の状態とその改善は?
・主訴以外の部位治療(C処、P処)
・歯周病の進行状態
・その他の治療
・今後の注意点
・治療期間
などを伝えたのち、是非とも最後までの通院と頑張りを承認してあげてください。
「よく最後まで頑張られましたね」と…
「○○さん、ここまでは治療を頑張られました。これからは予防を頑張って下さい。
これからむし歯、歯周病の予防のために頑張らないといけない事は何でしょうか?」
と質問してみて下さい。
多くの患者さんが。きっとこうお答えになります。
「歯磨きですか?」
「そうです!歯磨き=プラークコントロールです!」
「現段階でプラークコントロールがどれだけ出来てるかの最終確認をいたしますね、
その後アドバイスさせて頂きます。」と言い、染め出し検査を行います。
染め出し後は、手鏡を利用して口腔内のチェックを行います。
患者さんに対し、今後のセルフケアのアドバイスを行います。
また、ここでお口の中に残っているプラークの塊が、バイオフィルムとなり、
これがむし歯、歯周病の原因になるので、日々のブラッシングとこれからプロによる
クリーニング(PMTC)が必要なことを伝えます。
「お口の中を隅々まで綺麗にして、むし歯、歯周病ができにくいお口の環境に
していきますね」と言い、PMTCを行います。
PMTC終了後の声かけは「如何でしたか?」を忘れないでください。
きっと患者さんは、こう仰います。「気持ち良かったです」と…
そしたら勝ちです(笑)!
人は自主的に継続するためには、“快”を与えることだと言われます。
このオリエンテーション(体験)は、歯科における快適さと爽快感を与える場面なのです。
この言葉を頂いたら、次のステップです。
定期健診のご案内です。
テストクロージングから行います。
「○○さん、今が一番良いお口の状態です。
一生涯ご自身の歯で健康に生活するためにも日々のブラッシングと
定期的に当院での健診クリーニングをお勧めしますが、如何でしょうか?」
大半の患者様が「お願いします」と仰るはずです。
そして最終ステップは
・来院サイクルの確認
・診療費用の確認
・次回来院日(予約)の確定
この三つが全てOKであれば来院されます。つまり予防移行への可能性が高まります。
できれば、この患者動向も管理シートに記入して頂ければ、数値は改善されます。
是非とも取り組んでみられて下さい。
————————————————————————————————————-
今回は、予防カウンセリングの手法についてお伝えしました。
次回は、予防カウンセリング時の注意事項および定期来院者の管理法について
お伝えしたいと思います。